社員紹介

西本貿易株式会社 ワールド食材事業部 宮ノ原 拓 Taku Miyanohara 2006年4月入社

ある日のタイムスケジュール

7:30
中国出張初日。当事業部の主力商品である冷凍いちごの製造に立ち会うため、ホテルから現地の工場に出向く。
8:00
食品を扱うので、常に清潔さが保たれているかは重要な問題。まずは工場の入り口で作業員の服装をチェックする。
9:00
原料であるいちごの検査。サイズや品質、数量に間違いがないか、加糖率は基準に達しているか、などを調べる。
10:00
いちごの洗浄工程のラインチェック。異物が入り込んでいないか、ヘタが残っていないか、現地スタッフと一緒に確認。
12:00
昼食。
13:00
工場内で製造工程に無駄がないかチェック。疑問に思うことがあれば、工程を遡りながら悪い部分を改善。
15:00
選別ラインに立って、不良果がないか確認し指導。
17:00
空いた時間で報告書を作成。一段落すれば、また製造の確認に戻る。基本的には全ての工程に立ち会い、確認作業と改善作業を行う。
19:00
ホテルに戻る。メールのチェック、お客さんの対応、報告などを行い、一段落すれば洗濯。
22:00
明日の仕事に向けて、早めに就寝。

入社後2ヶ月目で2ヶ月間の中国出張へ もっと多くの国で「商材」を見つけることが夢

「ド肝を抜かれた」いきなりの中国出張指令

ワールド食材事業部は、海外から農産物、水産物を輸入して商品化し、食品メーカーや外食産業、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなど小売業に提供する部署です。イチゴやマンゴー、ブルーベリーの取り扱いは国内トップクラスですし、ロブスターやフライ用の白身魚など水産物・加工品も数多く取り扱っています。
私がここに初配属されて2ヵ月目。いきなり上司から「中国へ行ってもらうから」と指令が下りました。もちろん頻繁に海外へ飛び立つ先輩の動きを見ていても、いずれ自分も海外出張に行くのだという意識はありましたが、あまりに早く突然の話だったので、正直「ド肝を抜かれた」という感じでした。まだ何も分かっていない新人ですから、海外にいける喜びより、「現地で学んで来い!」という上司の言葉に、「大丈夫、俺?」という恐怖感のほうが勝っていましたね。
今回が私にとって初出張であると同時に、初訪中でもありました。出張の目的は、当事業部の主力商材である「冷凍イチゴ」の製造立会い。簡単に言えば、いちごの品質・製造管理です。弊社の規格通りに製造されているかどうか、原料状態はどうか、製造効率はよいかなど、現地スタッフの指導・管理を行うわけです。製造工場を訪ねて工場側と話し合い、問題点・改善すべき点があればその都度工程変更などを行っていきます。
滞在期間も事前に決まっているわけではなく、その状況によって臨機応変に変化します。私の場合も途中で延長があり、計2ヶ月間の出張となりました。

とにかく『現場』を見ろ!

イチゴの収穫は、時期が進むにつれ上海の南から北朝鮮の国境方面へ、浙江省、江蘇省、河北省、遼寧省と北上します。ですから、その時々で製造現場も変わっていきますが、すべての工場で立会いを行うわけではなく工場のレベルや状況によって判断します。なかでも新規に取引を行う工場には、弊社の品質管理レベル・スペックを理解してもらうため必ず立会いに入ります。また、原料調達に不安がある工場も同様です。その工場の毎日の製造状況、原料品質状況、原料調達状況を弊社の商材担当者にしっかりと報告できれば、会社としてトラブルを未然に防ぐための対策検討や準備が可能になるわけです。
現地に到着してまず行うことは「現状の把握」です。現地でしか見ること、知ることができない産地状況や天候状況、製造工程に関しての情報収集を行います。出発前、上司や先輩からも「とにかく『現場』を見ろ!」と言われていました。どのような場所で、どのような人間が、どのような環境で西本貿易の商品を製造しているかという情報の収集は、日本のお客様へご説明する機会があるので、これも大切な出張目的になります。実際、「帰国後、訪問した工場についてはお前が一番知っているはずだから、どんな質問にも答えられるはず」という先輩諸氏の無言のプレッシャーは感じていましたね。また冷凍イチゴには関係ありませんが、自分が掲げた課題として、中国で流行しているもの、常時売れているものなどの市場調査も、せっかくのチャンスですからチャレンジしたいと思っていました。

工場のスタッフと協力しながら製造工程を改善

上海空港についた時には、テレビでよく見るイメージ通りの中国でしたが、実際に現地に入ると、工場は町外れ、産地は田舎で正直不安がよぎりました。電気が通ってない所も多く、仕事面より生活面の方が大丈夫だろうか、と。でも、住めば都、慣れてくるとまったく気にならなくなりました。帰国後、先輩に聞くと、その現場はそれほど大変な場所ではなかったらしく、先輩が以前に訪問した場所はさらに厳しい状況だったとのこと。私はまだ恵まれていたようです。
工場のスタッフは弊社の社員ではありませんが、非常に協力的でした。過去、取引の実績のある工場の方々はもちろんのこと、新規の工場の方々もこちらを理解しようとする姿勢が見られました。よい製品を協力して製造しようという気持ちを持って接すれば、国境の壁は存在しないのです。
いちごなど年一作の農産物の製造は一回勝負ですから、品質チェックと製造過程の改善にはかなりの神経を使います。製造の各工程で、その都度細かい改善を行うので体力的にも厳しいですが、その時は精神的な厳しさの方が大きかったです。何しろ「失敗は許されない」というプレッシャーはつねにつきまとっていました。最初の頃は、仕事が終わっても話し相手がいないことで結構しんどかったのですが、後半は友達もでき、それなりにプレッシャーからも開放され、自分でも納得いく成果が上げられたと思っています。

これからも異文化を吸収して自分の人生を豊かに

この出張でもっとも思い出深いのは、弊社の上海駐在員事務所のスタッフから告げられた一言でした。上海駐在員事務所は経験も知識も豊富で、現地の管理・交渉などを一手に引き受けてくれたのですが、つねに新人の私に的確な指示・指導や力強い激励をしてくれました。現地について間もない時、私の指示があいまいで自信なさ気に映ったのでしょう、「結果が出なければ君がここにいる意味はない。でも一番現場を知っているのは君だ。現地で働く人たちは皆、君を信頼しているんだぞ!」と、厳しさの中にも温かさがある言葉を頂きました。この言葉で「私がやらなきゃ、誰がやる!」と良い意味で開き直れた気がします。
出張から帰ってきて、自分なりにやりたいこと、夢も大きく膨らんできました、うかつに口に出すと、当事業部ではその実行を求められるので大変ですが(笑)。今は、若いうちにもっと海外(トルコ、アラスカ、スペインなど)に多く出て、経験が積みたい。そして、現在は製造の立会いがメインですが、今後はさまざまな国で、『モノ=商材』を発見できたらと考えています。まだまだ世界には他の国で知られていないモノがたくさんあります。海外でしか見られないこと、吸えない空気を感じ、異文化を積極的に吸収することで、自分の人生を豊かにしてしければ最高ですね。