- 7:45
- メールチェック。コンビニで買った朝食のメロンパンにパクつきながら、産地情報、大井埠頭の倉庫からの情報に目を通す。今日、フロリダ産グレープフルーツが入荷する。シーズン初ものということもあり、午後から後輩と検品に出かけようと決める。
- 8:30
- 本日の営業活動の準備。商材の種類や在庫、状態をまとめ、どのお客様にどの商材をお勧めするかを割り振る。今日はレモンとグレープフルーツをプッシュすることに。
- 9:00
- 部内ミーティング。後輩から昨日の検品報告を受ける。本日の予定を確認。船のスケジュールや通関予定、営業予定を手早く周知する。
- 9:20
- 営業活動開始。お客様の市場担当者に売り込み電話をかける。朝に予定していたレモンの割当分は順調に捌けていき、ほっとする。グレープフルーツはちょっと苦戦。
- 12:30
- 営業活動の合間に、仕出し弁当で昼食。自分のデスクで食べていると、お客様から来週の入荷予定の問合せ電話が何本か入る。部内ミーティングでまとめた予定表を見ながら対応。今後は毎日グレープフルーツが入荷する。
- 15:00
- 営業活動終了。苦戦していたグレープフルーツも、いくつか懇意にしているお客様と交渉して、予定通り完了。すぐに、後輩とともに大井埠頭に検品に出かける。
- 16:00
- 倉庫うずたかく積まれたカートン(ケース)から、いくつかグレープフルーツを取り出し、後輩とともに検品する。思った以上の品質があり一安心。後輩と“目合わせ”をしながら、検品のポイントや注意点を指導する。
- 17:00
- 検品の帰り道、太田市場によってお客様と会う。最近レモンが好調なので、話題もおのずとそちらに。終始笑顔で懇談。
- 18:00
- 帰社。本日の営業書類の整理。1週間後に予定されている北海道への出張の申請書も作成。上司と明日の営業戦略について話し合う。
- 20:00
- 帰宅。

入社1年間で養った検品の“目”と技術
オレンジやグレープフルーツ、レモンなど“シトラス”と呼ばれる柑橘類を扱っている営業第一部で、現在、青果市場への営業を担当しています。入社から1年間は、商品をよく理解する目的もあり、検品をおもに担当してきましたが、2年目になってやっと少しずつお客様を担当することになりました。最初は1軒から始まり、今では12軒のお客様を担当 しています。
また、後輩の検品に同行して指導することも2年目の社員の重要な仕事。先輩に教えられ1年間で培った“目”や技術をしっかりと後輩に伝え、後輩が次の後輩へ、また次の後輩と継承していくのです。検品は知識として頭で理解するだけでは役に立ちません。実際に目で見て手で触れて、そして分析する力を養って初めてできる作業です。実は私も1年目は自信が持てず、先輩にお願いして同行してもらったり、写真を撮ったり、現物を持ち帰って上司や先輩に再確認してもらっていました。 でも、これからは後輩に教える立場。いつまでも先輩に頼っているわけにはいきません。
お陰様で、今ではそれなりの“目利き”を自負するまでになりました。レモンやオレンジなど現物を無作為に取り出し、後輩と一緒にそれを見ながら今の状態を確認し、今後どのような状態になっていくのかを予測します。これは“目合わせ”と呼ばれる指導法で、これによって諸先輩方から延々と継承されてきた“奥義”が相伝されていくのです。
シトラスを検品する難しさ
シトラスは、バナナやトロピカルフルーツのように“足が早い”商材ではありません。温度管理さえしっかりしていれば、2ヵ月位は鮮度を維持できます。ならば検品もそれほど難しくないと思われるかも知れませんが、実は別の難しさがあるのです。それは数量です。
シトラスは日本市場で最も人気の高い商材の一つですから、その入荷量も半端ではありません。大井埠頭には、夏場ならチリやオーストラリア、南アフリカなど南半球から、冬場ならカリフォルニアやフロリダなどアメリカを中心に、毎日のように運搬船が入港しています。弊社分だけでも1週間に数千、数万カートン(ケース)を輸入し、倉庫には常時数十万カートンものレモンやグレープフルーツがひしめいているのです。全部見る訳にはいきませんから、サンプルを取り出して検品しますが、膨大な数に及ぶ全体の状態をそこから把握し、管理する作業は並大抵ではありません。
また、その産地の気候、シーズン、収穫エリア(シトラスを輸送用にパッキングするPacking House等)、入荷条件によって、商材の特徴が大きく異なることもあります。例えば、カリフォルニアだけでも数十ヶ所の収穫エリアがあり、それぞれ違う箱に詰められています。その上、シーズンの初期、中期、後期で特徴が変わってくるので、すべてを組み合わせにすると、例えばオレンジという一つの商材だけでも気の遠くなるような種類を扱っていることになるのです。
お客様からクレームから学んだ検品者の責任
現在、弊社では大井埠頭においては2つの倉庫にシトラスを保存しています。一つはサンキストブランドのレモンやオレンジ用、もう一つが自社で独自に取引しているシトラス用です。特に弊社が扱うサンキストレモンの日本のシェアは50%を超えています。その膨大な数量を今、東京本社の8人と神戸支社の6人、全14名のスタッフで捌いているのです。
以前、半日かけて何百カートンもの検品をして、「よし、このグレープフルーツは見た目、食味ともに良好。お客さんも喜んでくれるだろう」と自信を持って配送したところ、数日後、お客様から「一定以上の量が腐っている」とのクレームが届きました。「腐れ」には白カビ、青カビ、緑カビによるものや、水腐れ、茶腐れ、そして“ヤケ”と呼ばれる黒いへこみが入る場合もあります。その時はまだ経験も浅く、現状は良好であっても数日後にどのように変化するかまで配慮できなかったことが原因でした。自分の目、産地からの情報から商材の状態を予測し、営業に役立てていくことの重要性を実感し、そして検品に行けない営業の目となり耳となる責任の重さ、検品のちょっとしたミスで会社に大きな損害を与えることもあるという認識を新たにし、気持ちを引き締め直すよい経験となりました。
輸入柑橘・日本トップシェアのプライドをもって
最初の頃は、大量のカートンを冷蔵倉庫内で目の当たりにすると、これをどう検品してどう売っていけばいいのだろう、と途方に暮れることもありました。しかし、今では「よし、弊社自慢の商品をどんどん売ってやろう」とやる気に満ち溢れてきます。しかし、倉庫の中は摂氏5度に保たれているので、心は熱いのですが、体は冷えきってしまいます (笑)。
営業活動は、高度なコミュニケーション能力が必要な仕事です。経験が浅くてもお客様に 足もとを見られてはいけませんし、だからといって高飛車に出るとそっぽを向かれてしまいます。上司からも「ただのご用聞きになるな」と言われていますが、一人前になるにはまだ時間が必要です。ただ、お客様のニーズをしっかり把握して、こちらがリードしながら交渉を進めていくことは、少しではありますが分かってきたように思います。今は小口のお客様が中心ですが、近い将来は大口のお客様も担当したいですね。何より、輸入柑橘に関して日本でトップシェアを誇るIPM西本の社員だというプライドをもって、今後も邁進します。


