- 7:00
- 通勤途中、浜松町の行きつけの喫茶店で朝食。経済新聞に目を通して、一通りの情報を得ておく。
- 8:00
- 出社後、メールチェック。アメリカの輸入元となっている米国西本の担当者や、国内の青果市場の輸入果実担当者からの問合せ、確認、売り込み、リクエストメールに目を通し、レスポンスができるものはすぐに対応する。とくに世界各地から上がってくるシトラスの栽培状況、出荷予定などは入念にチェックし、その情報をもとに部員に的確な対応を指示する。
- 10:00
- 自分が受け持っているお客様に営業活動。電話で新しい商材の売り込みや、次の入荷商材について案内する。また、お客様が今後何を欲しているかという情報も吸い上げ、そのリクエストを反映されるよう戦略を練る。 (電話の合間を縫って、昼食。いつも頼んでいる仕出し弁当を自分のデスクでかき込む。その合間にも電話が鳴るので、食事を済ますのに1時間ぐらいかかることも)
- 14:00
- 東京湾の倉庫に、今日届いたばかりのフロリダ産グレープフルーツを検品に出かける。危惧していた品質も良好と分かり安心する。帰りに築地市場のお客様を訪問。
- 15:00
- 1時間遅れでデスクに戻り、午前中に出来なかった週報と月次報告書を仕上げる。何とか時間までにまとめ終わる。
- 16:00
- 部内会議。先月の数字が予想以上によかったことで、会議は終始なごやかな雰囲気。今年後半の戦略と新商品の投入についいて話し合う。
- 17:00
- 米国西本より来客。部内会議で出た話題を中心にミーティング。今後さらなる密な連携を模索するため、PT(プロジェクトチーム)を発足することで合意する。
- 18:00
- 米国西本のお客様とともに夕食。しゃぶしゃぶをつついていると、お客様に急用の連絡が入る。残念ながら食事も早々に分かれる。
- 20:00
- 帰宅。

国内市場と産地の情報を分析し、シトラスの安定供給を図る
2005年10月から、一般にシトラスと呼ばれるオレンジやグレープフルーツ、レモンなど柑橘類を取引している営業第1部の部門長を任され、仕入責任者という立場で動いています。私の主な業務は、具体的には「買う」という作業よりも、その前提となる産地からの情報収集であったり、価格交渉や着荷の際の品質チェックが多いですね。また産地に対しては、今後の日本国内の市況動向についての情報を伝え、アドバイスをしたりもします。いわゆる、これから日本国内でどんなものがどれだけ売れるのかという予測情報を収集し分析する。そして、世界中の産地の生産情報も加味しながら、いかに質のよいシトラスを安定的に、そしてお客様がほしいという時期に納入できるかを調整していくわけです。
現在のおもな輸入元としては、アメリカのカリフォルニア、フロリダ、アリゾナ州(レモン、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、グレープフルーツ、ミネオラ)の他、チリ(レモン)、南アフリカ(グレープフルーツ)、イスラエル(スウィーティー)などが挙げられます。長年の活動の結果、弊社のカリフォルニアレモンのシェアは国内No1の過半数に迫る勢いです。フロリダ産グレープフルーツなどについてもトップシェアを有しています。弊社はシトラスのシェアホルダーとして、国内市場に大きな責任をもっているのです。
国内市場における重い責任を胸に産地で情報収集
現在、冬場はカリフォルニアやフロリダから、夏場はチリやオーストラリア、南アフリカなど南半球からシトラスを輸入していますから、日本国内では年間を通じてシトラスが店頭に並べる体制が整えられています。しかし、極端にいえば、どこかで収穫予測ミスや輸送ミスがあると、ある時期シトラスが極端な品薄になり、消費者の皆さんの手に入りにくくなる事態にも繋がるわけです。
それだけ日本市場におけるわが社のシェアが大きいということですが、そんなことがあってはいけませんから、私はそれぞれのシーズンが始まると2〜3ヶ月ごとに産地に赴き、状況把握をします。そして、そこで得た情報を国内に持ち帰り、営業に伝え、各取引先に伝わるようにします。情報の正確性はもちろん、迅速性が要求されますし、もしも情報に偽りや遅れがあると、弊社の販売のみならず、弊社の取引先のお客様の判断をも狂わせてしまうのです。
弊社がシトラス市場において多くの数量を扱っていることに、緊張感、責任感を常に感じながら仕事に当たっています。
日本市場と生産者側にWIN-WINの関係を築く
もちろん日本市場ばかり意識して、生産者への要求ばかりが増え、産地の負担になることも問題です。海外の生産者にとっても当然ビジネスですから、自らの商品をなるべく高く販売することを目標にしています。近年、中国の市場や韓国の市場が急速に力を持ってきていて、日本が最良の輸出先とは言えなくなってきています。例えば南米のチリからオレンジを出荷する場合、日本、韓国、中国のどこに出荷するか真剣に検討し、船積み手配しています。ときには航海中に目的地を変えることも起こります。もしも、弊社がこれだけのグレープフルーツがほしいと言っても、輸出元の会社で日本より中国や韓国を優先すると判断すれば、日本には十分な量が入ってこない場合も考えられるのです。現在、シトラス業界のパワーバランスは、輸出元の方が輸入先よりも強くなっている上、日本のプレゼンスも低下し始めているのです。そのため、弊社のような商社は、生産者側の考えと日本市場側の考え両方をバランスよく取り入れ、信頼関係を築くことで、いわゆるWIN-WINの状態を作っていかなくてはなりません。私にとって誰が何を考え、何を望んでいるかという情報の収集と分析がとても大切な仕事になってきています。
情報の正確性や迅速さによって、弊社の収益も変わります。今後、弊社の情報に信頼がなければ、海外産地の生産者も取引は躊躇することでしょう。歴代の先輩方から築き上げた信頼を失うことなく、さらに強い関係を生産者と作っていくことに、現在責任を感じるとともに充実感も感じています。
国際的な協調関係を築き、気象変動にも対応
一方、自然・環境も、弊社の活動に今後とても大きな問題となりえます。2007年初頭にはカリフォルニアに寒波が来ました。オーストラリアには干ばつと寒波が来ました。フロリダでは2年連続で巨大なハリケーン被害が出ましたし、チリの冬の寒さも予想以上に厳しいものでした。これら気象問題は、シトラスの生産に直接大きな被害を与えます。ここ数年、いわゆる異常気象は日常茶飯事になり、今後はノーマルなシーズンというのはなくなるのではないかと危惧しています。気象に関しては長期的な予想ができないため、前もって輸入計画を変更しておくことができないのが、弊社にとっても頭が痛い部分です。もちろん、こういう非常事態に備えて、輸入元を分散するなどできる限りの対策はとっています。今後はシトラスの安定的供給を維持するためにも、さらなる行動が必要になるでしょう。
その一つとして、近隣諸国との連携は今後探っていかなくてはならないと考えています。例えば中国や韓国など東アジアの同業社が協力し合い、ときには必要量を確保するために譲ってもらい、ときには他国に譲るという関係が築ければ、パワーバランスの是正にも繋がる他、非常事態に対しても対応しやすくなります。その上、「東アジア市場への参入」という今後の弊社の活動を大きく広げていく一つのステップにもなるでしょう。このように日本市場のみならず、国際情勢を見極める広い視野をもって、新しい可能性を探る----私の仕事の中でも、もっともダイナミックかつ繊細な対応が必要な部分といえます。


